ベーシストのオーディション6
アンコールをもらったばっかりに、気持ちが舞い上がり演奏のミスも、失敗も帳消しと考えていたが、甘かった。
取り返しのつかないミスをやった事を、理解していなかった。
我々のバンドが未熟なアマチュアであるハンディを考えても、ペナルティーの判定が出されても仕方がない。
反省会の冒頭、「お疲れ様でした。!」の乾杯だけはしたが、
Tくんの叔父さんであるプロデューサーは、Tくんに
「こんな演奏では、次回のライブはだめだね。もっと練習しないと。」 と、穏やかに言った。
やっぱりな、と私は思った。
結論として今回のライプは、失敗したということを意味しているのだろう。
身内の関係だから言える、率直な言葉だ。
リーダーのTくんだけの責任というわけではない。
ドラムのWくんだって、スティックを何度も落下。
人前の演奏でやってはならない失敗。
私にしたって、十番街の殺人の転調のフレーズで半音階上がる時のミス、フレット位置を間違えて演奏していたと思う。
曲の1番大事な盛り上がりで曲のハーモニーが歪む不協和音、結構目立ったミスだ。
1番キツく叱られたのは、アンコールの「テルスター」 でのさび部分、リードギターのメロディーが詰まってしまい、曲の流れが途切れことだと思う。
これはリードギターのTくんとしては、言い訳することはできない。
ミスを誘発するトラブルが発生したとしても、体に染み込ませるための練習量が足りない。という事なのでしょうか。
たった1度のミスでも、かなりの厳しさで、怒られていた。
あと「お前がリーダーなんだから、もっとしっかりしなければだめだ!」
とも言われていた。
ベンチャーズの曲はシンプルなメロディーなので演奏は一見簡単そうに思えますが指使いや、フレーズに対するポジションどりが、意外と難しく、ハイポジションになればなるほど、それは感じます。
やはり時間を掛けて弾きこむしか打開策はないのでしょう。
一夜漬けは通用しないのです。
リードギターのTくんは運悪くそこにはまったのかもしれない。
練習量の不足と、予期せぬアンコールと予期せぬトラブルがそれを呼び込んでしまった。
それを乗り越えるには、やはり充分な練習が必要でメンバーそれぞれに、反省することはありました。
プロデューサーは、私に今までのバンド経験を聞かれた。
私は
「中学でベンチャーズバンドでベース、高校はベンチャーズとクリームの「ホワイト・ルーム 」、などをコピーし、そのバンドで未熟なリードギター。
社会人ではベンチャーズやシャドウズのコピー、そして歌もの曲の伴奏やリードギターを、なんとか、やってました。」
と伝えた。
思えば下手ながらも、随分いろいろな音楽をやってきたものだ
。
自分でも驚くくらいだ。
44年前になる。
失敗経験も多々あるが、場数を踏んでいることは事実。
今回は、少し上がったが、楽しく演奏出来たことは、自分でも感じた。
プロデューサーは、実際のステージを見て、それが分かるらしい。
たしかに人前の演奏では上がることは、あまりない。
プロデューサーはキーボードの女の子には、ねぎらいの言葉をかけた。
「よく頑張ったね!」と優しかった。
その後は、バンドメンバーの皆との和気あいあいの話で時間が過ぎた。
とりあえず、
ドラムのwくんは極端な上がり症、経験を積むしかないと思う。
その後の彼は猛練習をして、その成果あり、スティック落下はなくなりました。
あとはリズム感をどのようにして鍛えるか?
である。
サイドギターのMくんは沈着冷静、特に問題なしです。いろいろ多忙ですが、バンドの核です。
ラグビーも頑張っているのがいいですね。
反省会は始まりの時より、少しは雰囲気はなごんだが、多少の重い気持ちを感じながら終わりました。
お疲れ様でした。
本当にいろいろあり過ぎて疲れました。
まだ、レンタカーでの機材の搬出が残ってます。
駐車場に向かった。
では、この続きはまた次回。
まだまだ、いろいろありますよ。
今回はこの辺で。