Jaco のAlbum「 Word of Mouth」の印象
昨晩、心静かにジャコの2枚目アルバム「Word of Mouth 」を聞いて見ました。ドキュメンタリー映画「JACO 」のなかで、このレコードの売れ行きが悪く、レコード会社との関係が悪化していく場面を思い出します。
ジャコ自身は、自己満足と言われようと自分が大事に考える楽曲を優先させた。アルバム1曲目「Crisis 」は戦慄を覚える音符の連射!ベースが機関銃のように鳴り響く!
2曲目「3 Views of a Secret 」美しくミステリアスかつ秘密の迷宮を想像させる楽曲、3曲目は乗りの良いブラスセクション「Liberty City」、4曲目「Chromatic Fantasy」では、バッハの古典的なクラシックのメロディーをベースで驚異の演奏、
5曲目、ビートルズのポールが歌う「Blackbird」はトゥーツ.シールマンスのハーモニカ、そして6曲目いよいよアルバムタイトルの「Word of Mouth 」、アルバムラストの7曲目はジャコの子供達、ジョンとメアリーをヴォーカルで参加させた「JOHN and MARY」は最長の10分 52秒、アレンジもクスクスの笑い声から入り、アコースティックの弦楽器を多用し、まるで子供の絵本を連想させる楽曲となっている。
映画では大人として成長した息子のジョンと娘のメアリーが、インタビューに答えるシーンがある。彼らはジャコが父親としてこのアルバムを残してくれたことを、感謝していると私は想像します。
サックス奏者のウェイン.ショーターが語っていた言葉、「ジャコは魂は売らなかった!」の意味は、「レコード会社の都合で販売戦略に迎合し、自分のポリシーを曲げることをしなかった。」と解釈すれば、売り上げなんかより大事なものがあることを、教えてくれているのではないでしょうか。
演奏家、作曲家、バンド.リーダーとしての立場と自己のポリシーそして守るべき家族、反対側にはレコード会社の売り上げと利潤の追及、プロダクションの興行収入など。
舞台裏の事情を考慮せずに、音楽面だけに着眼してアルバムの出来を評価する時、ジャコが歩んだ音楽人生と心のなかの葛藤、クラシックへの畏敬の念、そして愛すべき家族と子供たちの姿が写し込まれた、写真アルバムに例えれば、納得してもらえるのではないのでしょうか。
一般受けを考えず、自己のポリシーを優先させた結果の作品集。ジャコ.パストリアスの人間性をアルバム「Word of Mouth 」からは感じることができます。
では、私のアルバム評価を終わります。