サポートメンバーのベーシスト2
本番ライブの前日土曜日、P県の自動車工場に到着した。今回の出張は、前のバンドのリードギターも一緒である。
今回の話は彼を経由して私のところに来たのである。
ちなみに私は車メーカーの社員ではありません。
彼も同じ車メーカーの社員だが別工場に勤務しており、同じ企業内の顔見知りである。
これから顔を会わせるバンドのリーダーとも音楽、つまりバンド活動を通じて既につながっていた。
会社休業日なのか、構内は静かであった。多分、昼過ぎからリハーサルに入ったと思う。15年前の事ゆえ正確には、何時だったかは忘れた。
バンドの部室に向かう途中、メンバー達とも初対面の挨拶をした。
初顔合わせで、バンドのリハーサル、明日午前11時からライブ本番である。
お互いの技量を探り合うことになるのだろうか?
少し緊張してきた。
学校の教室くらいある広々とした部室であり、アンプやドラムセットが置いてある。
その反対側、向かい合わせにキーボード、ヤマハのDX7がスタンド台の上にセットしてある。演奏者は紅一点の女性、総務の人である。スラックスで細身の人。
私はベースをソフトケースから取り出してチューニングを始めた。合わせ終わったところで、練習の1曲目は「クルーエルシー」から入った。
このバンド独自のアレンジがされていてリズムの流れがベンチャーズオリジナルとかなり変えてある。
サビの1部分が変えてあるだけだが、練習して覚えたり、体に染み込ませないと
本番では失敗してしまう。
4-5回は練習して、なんとか安定してきた。サウンドに一体感がでてきた。
さて、問題は「キャラバン」であり、ベンチャーズの最高難度の曲でもあり、気合い入れて練習しないといけない。
曲の途中にドラムソロまで入るのだから。
ドラムとベースが呼吸をしっかり合わせないと、メロディーラインもリズムも成立しない。
キーボードもコード弾きで絡んでくるアレンジになっている。
5-6回は練習し、一応なんとか様になってきた。
明日の本番に人前で演奏出来るレベルなのかは、少し不安があるが、まあなんとかなるだろう。
この続きは、また次回です。
私はこれから寝ます。