ベーシストと12弦ギター
5ー6年ぶり?に、自作のフレットレス・ベースとモーリス12弦ギターのケースを開けた。
ベースはそんなもんだが12弦の方は15年ぶり位かもしれない。
娘の結婚式が近くなった頃に、エルビス・コステロの 「She」 のメロディに魅せられて、よくフレットレス・ベースを弾きまくった。
フレットレスベースはジャコ・パストリアスに憧れて自作した物だ。
ネック裏のワインレッドの塗装も自分でやった。
12弦の方は1970年製のモーリスのやつ。
ケースを開けるとき果たしてどんな姿になっているか不安というか胸がときめいた。
開けて見ると意外とその姿は美しかった。
妻 に 「ほらっ!」 と言って見せると
「あれ? そんなの持ってたの?」 と言われた。
「あんた、それ弾けるの?」 と妻に言われた。
果たして15年ぶりのモーリス12弦はどんな風に応えてくれるかな。
まず、チューニングに苦労した。
ペグ、弦巻もいくつかは傷んていたはず。
音叉で1弦の5フレットのAの音を合わせていく。
その後はオクターブ下の4弦 7フレットのAの音を合わせ、2 、3弦 4、5、6
弦と順に合わせていく。
なにしろ12本もあり、弦も古くペグもイカレているから、チューニングはなかなか大変、しかし楽しい作業だ。
これはビートルズの
「ヒア・カム・ザ・サン」
のサウンドに12弦の音が聞こえる、ジョージ・ハリスンが弾いている。
へぇー? 不思議な音だな。 と思い
19歳の時にローンの分割払いで買った。
楽器は結構そんな単純な理由で買った。
会社の研修会の余興で、寸劇が各チームに課されて、劇中の効果音で活用した。
とにかく、不思議な音がする楽器である。
フレットレス・ベースもまた不思議な音がする楽器である。
基本クラシックギターの左手のフォームがマスターできていれば簡単に弾ける。
要はフレットがないから如何に音程を正確に出せるか? であり、音感の悪い人は、まず無理であると思う。
弾き出される音の特徴は、音の立ち上がりが遅れて、弦を弾いたあと時間差で余韻のある弦とフィンガー・ボードの接触、つまりビリツキ・サウンドが加わることである。
これがメロディラインでバラードを弾いた時に、ある効果をかもしだす。
ジャコを聞けば、きっと理解できます。
「シンドラーのリスト」 でも触れましたが、ヴィブラートがチェロの表現力に
重要な役割を果たしている。
ということで、フレットレス・ベースも同じ事が言えるのです。