ベンチャーズはドラムで持っていたか?
もちろん、リードギターがメインなのは疑うことなどありません。
先日、ベンチャーズのライブ録音のCDを聞いて感じたことを書きたいと思います。
1965年の録音なので、50年以上前のサウンドとミキシング技術を考えると、
PAシステムがまだ確立されていない時代では、ライブの音作りには、相当苦労があったと想像ができます。
したがって、ライブレコードを聞いても果たして会場ではどんな音に聞こえたのか?は、疑問です。
ビートルズの武道館の録音なんかも歓声に押されて、バンドのサウンドや歌声はクリアには聞くことが出来ない。
さて、ベンチャーズに戻りますが、そのCDは日本、イギリス、アメリカの公演が数曲ずつミニアルバムみたいにセットされています。
サウンドで目立つのは、メルテイラーのドラムの乾いた音です。
それが、まさにベンチャーズらしさなのですから。
スネアはカンカン、バスドラはドコドコと今時のドラムのサウンドとは、あまりに違いがあります。
先ほども書きましたが、PAシステムやステージ上のモニタースピーカーもありません。
横一列に並んで演奏します。
録音では、ドラムがセンターでベースが多分右チャンネル。
サウンドバランスではドラムが、かなり高めにハッキリ聞こえる。
ベースはかなり小さめ、低音だからそれだけが頼りで、なんとか鳴っているのが分かる程度のバランスで小さい音。
リズムギターの音はシャンシャキっと、カッティングがあるのでアタックが強く、音が小さくても、存在は確認できる。
でも、ベンチャーズ・イン・ジャパンに比較してもバランスがさげてある。
リードギターは左チャンネルで結構、生々しくサウンドがつたわってくる。
ちなみに、ベンチャーズでは、曲目やその年代によってリードギターの担当が入れ替わってます。
初代はベーシストのボブボーグルが、
3曲メドレーやテルスター、悲しき闘牛を演奏してます。
次はやはりノーキーエドワーズです。彼はカントリーやジャズのセンスも携えて、単なるロックギターの演奏とは言えない懐の深さでファンを魅了しました。
そして、現在も活躍中のジェリーマギー、京都の恋、京都慕情など日本歌謡にも影響を与えた、。
そこで、私は何が言いたいのかというと、ドラムはセンターでハッキリ、聞こえてバンドサウンドの中心的存在に感じるのです。
演奏者はステージ上で横一列に並び、ドラムは1番左、リズムギター、リードギター、ベースが1番右、ドラムから1番遠くの位置での演奏、きっとやりづらいと想像します。
リードギターが目立つのは当然ですが、ベンチャーズではドラムがその存在を強く、強く主張してきます。
バンドのリズムを引っ張るのですから、当然ですがそのドラマーのプレイスタイルが
ベンチャーズでは、より個性的で、独特の硬い音もきわだってます。
インストルメンタル、エレキバンドには、妙にマッチしていると思います。
いちど、メルテイラーがバンドから抜けていた時期がありました。
代わりに加入したドラマーはソフトなサウンドだったので、バンドとしては何とか、まとまってはいましたがベンチャーズらしいサウンドからは、かけ離れてしまいました。
一般にリードギターがエレキバンドの中では注目されますが、実は裏方のリズムの乗りやグループ感、楽曲の流れなどは、ドラムが作っているのです。メリハリも!
私の戯言を書かせて頂きました。
では、この辺で。