サポートメンバーのベーシスト4
いよいよ、ライブの日がやってきた。
8時くらいには起床し、オニギリやサンドイッチなどの軽い朝食を車工場の宿泊施設でとった。
こちらのギターとベースのサポートメンバー二人は招待選手みたいなものだから、昨日のレストランの食事代もこの朝食代もバンドリーダーが振る舞い、ご馳走してくれた。
申し訳ないと思いつつ、出演料と考え有り難くお受けすることにした。
器材の運搬は、既にバンドのサポートスタッフがやってくれているとのこと、有難いことである。
さすがに車工場の連携プレイは素晴らしい。
10時くらいにはライブの会場である大学の構内に着いた。すでに器材はセッティングされていた。
アンプやドラムセットそしてサウンドミキサーを介したトーンバックのモニタースピーカーもある。
ドラムの場所には広めにマットが敷かれており、滑り止めと安定性を考えていた。
また、このバンドでは簡単なPAシステムを構築している。勿論、ミキシングエンジニアもしっかりテントの中で調整中であった。
我々は本番前リハーサルに「プルドック」を軽く流して演奏した。
トーンバックのモニタースピーカーからバンドのサウンドがハッキリ聞こえてきて、とても気持ち良く演奏が出来るのだ。
ステージがある訳でなく、コンクリートの地べたに立ち、観客と同じ高さで演奏する、ストリートライブの様なスタイルである。
広い道路の片側にバンド、対面した反対側に見物エリアみたいな、ちょっと変わった会場の作り、エレキギターの音はデカいので少し離れたほうが聞きやすい。
11時の定刻から3分遅れてライブがスタートした。
しかし、ここは医学大学なので休日の日曜日でも救急患者が搬送されてくるので、演奏は中断された。
気を取り直してオープニングの「クルーエルシー」をスタートした。
このバンド独自のアレンジがされている課題の曲だがなんとか、演奏は終了した。
2曲目は「Walk don't run」(スタジオバージョン) ドラムのスネアのアタックが弱くパンチがたりない。ベンチャーズサウンドの要であったメルテイラーとはかなり差があり、リズム感や乗りが今ひとつ。
3曲目は「アパッチ 」 、バンドとしてのサウンドチューニングが素晴らしい、しかしリードギターがイントロをミスしてしまい、リーダーが演奏を中断させ、気を取り直してリスタート。
リードギターの音の響きが美しく、リバーブ(残響)のエフェクターを使用し、それが素晴らしいサウンド効果になり、ベンチャーズというよりもシャドウズのサウンドに聞こえた。
点数を付けるとすれば、70点くらいの出来ばえ。
4曲目は「さすらいのギター」リードギターのエフェクターのリバーブ感、残響が美しく、ベースのリズムとバンドの乗りもなかなかよし。85点
5曲目は「二人の銀座」、この曲ではドラムのリズムが走ってしまい、そのままラストまで暴走した。
1度速いリズムでスタートしたら途中で修正は効かない。
この曲ではベースのテケテケ、グリッサンドも3回入り、かなりのハイテンポでラストまでいった。
演奏後MC役でドラム担当のリーダーが「いい歳してるんだから、速く乗らないように!」とゆるいギャグなんかをかまして自分をフォローして、なんとか、ミスを誤魔化した。
今回はこの辺で、続きはまた次回。