ELVISエルビスの地方巡業4
「エルビス世界を変えた男」の本の中で、
「あなたの故郷でエルビスは歌ったか」 というタイトルの章があり、
アメリカ大陸のあちらこちらを、車に楽器などの器材を積み込んで、移動するツアーをエルビスの一行は積極的に行なった。
エルビスの歌はラジオでかけるには下品過ぎると考えるプロモーターの人達もいたが、
むしろ金を生むのはそういうタイプの歌い手だと、興味をもってエルビスに近寄ろうとするプロモーターもいた。
エルビスの出ているライブハウス「イーグル・ネスト」 を見に行った商売人のオスカー・デイヴィス。
エルビスが出演での女性客の反響の強さに驚き、これは商売になるぞと エルビスに将来を見いだしたのであった。
「叫ばせ、失神させ、泣かせる」
という、キャッチフレーズ、
ビートルズの時も同じ社会現象が発生した。
まだ、テレビが一般に普及していない時代だから、音楽で食べていくエルビス達一行はアメリカ大陸の各地を演奏旅行して売り込み、名前を覚えてもらう必要があった。
やはり、ラジオで聞くよりも、生演奏の実物のエルビスを自分の目で見て、歌を聞くほうが、興奮するものである。
それは身体の動きがとても刺激的だったから。
歌い方やリズム感は、黒人のフィーリングを持ち、姿は白人という独特の個性が
あった。
観客の気持ちを惹き付けることができた。
「彼は刺激的で、セクシーですぺての女性にアピールしている」 トム・パーカーはエルビスを手に入れようと決めた。
最初に会ったのは1954年の10月 2日
メンフィスの「テイラーズ・レストラン」だと言われている。
メンフィスのラジオ曲はここのところ膨大な数に上っているリクエストの処理に困り果てている。
それもたった4曲、エルビスがこれまで録音した曲だけを交互にかけろ、というリクエストだった。
それだけ需要があるのに、サン・レコードは新しいレコードを出そうという意欲に欠けている。
つまりこの優秀なタレントを見殺しにしているのだ、とパーカーは責めた。
「この若者には、もっと大きな可能性のある大きなレコード会社が必要なのだ」
それが、彼の言い分だった。
パーカーには、エルビスを使っての世界制覇の夢があった。
映画の世界にも売り込むことになる。