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ギターと俺

ベンチャーズとジェフベックが大好きです。

ベーシストのレコーディング3


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リハーサル当日、私がリードギターのPさんと出逢う場面が強烈に記憶に残っている。

私はその日かなり早目に支度して
、待ち合わせ場所であるOBさんの店へ到着しスパゲティミートソースをご馳走になっていた。

これは今回のレコーディングは参加スタッフ全員ノーギャラでの仕事となり、OBさんは私にスパゲティを振舞ってくれたのだ。

私より少し遅れてPさんが到着。
黒いフェンダーのハードケースを持っていた。
私は軽く初対面の挨拶をした。

Pさんはお店では何も食べなかった。
食べてきたのか遠慮しているのか。

今回の自費制作のレコーディングにあたり、OBさんの出費がかなりの金額になるのを知って遠慮しているのか。

私はPさんに「ギターは何を使ってるんですか?」 と訊いた。
「あー、これだよ。」 といい、ケースを開けて見せてくれた。

それはサンバーストのフェンダー
'72 Telecaster Thinline だった。

ボディはセミホロー・ボディ(アルミニウム製)、内部はくり抜きの構造。
私はこんなの初めて知りました。

f マークのサウンドホール有。
フィンガーポードはローズウッド。
ピックアップはハムバッキングタイプの形をしているが、カタログではフェンダーのワイドレンジと記述あり。

そのあとセッションバンドのメンバーが到着し、リハーサルの時間が迫っているので、パルコ側にある河合楽器のスタジオまで皆で歩いた。

スタジオに到着、セッションバンドのメンバーとナレーション担当とギャラリーつまりOBさんの親しい友人や取り巻き達数名と初顔合わせ、軽い挨拶。

全員でスタジオ入り。キーボードのBさんは夜型生活のひとだから、眠そうな顔をしていた。

彼の弾くキーボードはフェンダー
Rhodes 電気ビアノ、1980年だからフェンダーでも初期のモデルに近いサウンドだったと思う。

スティービー・ワンダーの「サンシャイン」がヒットし、そのイントロで暖かな陽射しが、まどろみの中にいる自分に降り注ぐイメージのフレーズがステイービーにより奏でられる。

まさにそのサウンドが
フェンダーRhodes なのである。
生ピアノに較べてアタック音が足りないが、オルガンの音をもっとシャープにかつ透明感を加えたような不思議な音を出す。
ボリュームはペダルを踏み、足で操作する。
完全なアナログ・サウンド。

眠そうなBさんだったが、リーダーのPさんのリハーサル打ち合わせが始まると、顔つきが変わってきた。

今はドラムのKさんとリズムの作り込みの話がされていた。
とくに1番と2番の曲のつなぎ目にどういうドラムのプレイをするのか?
という大事な内容だ。

裏とか表とか専門用語が飛び交う!
なんのこと話してるの? と私の頭の中に??マークが浮かんできた。

要するに、4拍子の曲で各拍子の前半が表、後半が裏である。
8分音符の連符 での前と後ろ。
1拍は4分音符の長さ。

音で表すと、スタ・スタ・スタタン!
タがスネア太鼓、タム太鼓を叩く音です。

後乗りというリズムパターンで不安定な感じのやつで、自然と安定を求め2番の歌に入りやすくなる。

どこにアクセントを付けて2番に入っていくかという、重要なポイントです。

□□□・ブルースは歌詞が20番、ナレーションが6回、トータル演奏時間が9 分 20秒という途方も無い楽曲である。

私も今まで経験したことがないものである。
なにせOBさんの3年に及ぶ海外での□□□街の体験や思い出が詰まってるのだから。

だから曲間の繋ぎのフレーズは大事なもの。

ドラムのハイハットを閉じながらアタックする「シュワッチ!」 の音も大事でフレーズの切り替えに効果的に働く。

いよいよ、ナレーションやヴォーカルを入れながらのラフな音合わせが始まった。

イントロはギターで演歌風の古賀正雄風なフレーズでそれをバックに

まずはナレーションからの入りだ。
JJさんが渋い声で語り始める。
歌詞の内容はOBさんが、当時1970年代の日本に失望し、恋人とも別れ海外に夢を抱いて日本にサヨナラをつげるという切ないものだった。

イントロはPさんの演歌調の6小節から入り、ベースとドラムが4拍分、ヴォーカルの入りのきっかけを作る。

羽田空港からソ連航空の旅客機に乗り、若者らしい優越感に浸りながら、日本から飛び立つ心の中を、このブルースの始まりを歌い出す。

ギターの伴奏は結構地味でアルペジオを使い、フォークソングみたいな色付けで、透明感のあるギターサウンドだ。

右手の弾き方は、親指で4、5、6弦のベース音、人差し指、中指、薬指で1、2、3弦の分散和音を弾く。
大変オーソドックス。

ブルースというよりも「和製演歌調のブルース風数え歌」みたいな世界が展開されていく。

今回のリハーサルはリーダーのPさんも、伸び伸びとヴォーカルとの掛け合いにシャウト(軽い感じの叫び声)していた。

これは地味な楽曲をメリハリと乗りそしてリラックスした雰囲気に変えた。 
本人も結構楽しんでいる。
(ニコニコしながらの、余裕のアドリブである)

キーボードのBさん指は鍵盤の上を飛び回り、こちらも自由なフレーズが生まれ続けている。

(しかし、本番レコーディングでは皆別人のようにおとなしい演奏になってしまうのだから、なんでかな?)

てな素朴な疑問も湧いて、後でリーダーのPさんやキーボードのBさんに「打ち上げ会」の時に聞いたらきちんとした答えはもらえなかった。

ただ、ニヤニヤしているだけで、言葉は何もなかった。
私だけが世間知らずの若者ということか?
どうやらリハーサルは遊びで、本番レコーディングは別物らしい。

ここで私の使用したベースについて触れます。

76' フェンダージャズベース。
ボディはホワイトアッシュで硬くて重くて、重さは4㌔超えます。
ネックはローズウッドでドットマークは四角いパール地。
ボディとネックのジョイントは3点木ねじ止め。
ネックが細すぎて演奏しづらい。
ベース弦はロトサウンドを使用(ジャコパストリアスと同じブランド)

結局最後はネックが反って使い物にならず、日本国産のメイプルネックに交換して今は健在です。
多少太めですが、(76'ジャズベースは異常な細さです。)
ネックの反りは一切発生してません。
日本製の高品質をつくづく感じました。

この時期のフェンダーは粗悪で雑な作りが多くて、この後購入したオールドのジャズベース 1966 の物と比べると品質の違いを感じた。

私は本番レコーディングでは、オールドのジャズベースを使用してます。

(これは、曲の雰囲気からいっても至極当然の選択だったと思います)

□このベースは今は私の手元になく、今回のレコーディングのアナログレコードの中に存在しているのです。

ベースアンプは小スタジオなので、70ワットくらいのミュージックマン製ソリッドステート、トランジスタ回路だと思います。
(なかなか腰のあるそして粘りのあるベースサウンドでした)

リードギターのアンプはフェンダーのツインリバーブあたりだと思います。
あまり注意しては見てませんでした。
それより、そんな余裕はありませんでした。

さてリハーサルも「□□□・ブルース」のほうは、なんとか形になってきたので次はもう一つの「□□□・B to C 」 の打ち合わせに入らなければいけません。

かなり長くなりましたので、この続きは
また次回です。

「□□□・B to C」のほうも歌詞が14番まであり、曲のつなぎをどうするかが、課題となります。

皆でアイデアの出し合いです。
今では、なかなか楽しい思い出となってます。

まるでスタミナ勝負のマラソンのようにタフな1日となります。
では、また次回に。