ベーシストのオーディション5
前回 4 の続きです。
38年前のライブ収録カセットをじっくり聞きながらの記事の執筆は、今まで見落としていた真実に初めて気づかせてくれた。
妻から勧められてブログを始めてみて、改めて感動するエピソードが再発見されていくことに、我ながら驚いています。
ここに書かれていることが、ノンフィクションであり、何かの小説のように私自身に語りかけてくるようです。
さて、前回の感動の 「アンコール!」 のリクエストの声が掛かった瞬間、バンドメンバー全員、夢のように感じたと思います。
この日のために積み重ねてきた努力が、全て報われました。
このライブでの数々のミス、失敗したことは全て帳消しです。
アンコール1曲目は テルスター で始まりました。
しかし曲がスタートしているのに、キーボードの音が聞こえません。
なぜか?
やはり、何かが起きてしまうバンドなんです。
キーボード担当はアンコールなんか来るわけないと思い込み、十番街の殺人の演奏中に自分で電源スイッチを切ってしまっていたのでした。。
それを彼女はすっかり忘れてました。
それに気づいたリードギターが慌ててスイッチを入れ、なんとか2小節飛ばしただけで済みました。
1番焦ったのは、リーダーである T くんです。
その後の彼の演奏はトラブルで動揺したせいで、かなりメロメロになってしまいました。
せっかく覚えたはずのギターフレーズがどこかに飛んでいってしまった。
Aメロのフレーズはキーボードです。
さて大事なサビはリードギター、しかし演奏すべきメロディーが繋がりません。
ライブではたまにありますが、私も何度か経験があります。
これは仕方のないことでした。
今回の 状況 が 状況でしたから*・・・。
この曲には中盤で転調があり、A から D
まで半音階づつスライドする転調は、なんとかメリハリつけてクリアできました。
Dに転調してしまえばサビはもうないのでリードギターは心配ありません。
そしてテルスターはエンディングを華々しく迎え演奏終了。
それでもお客さんからの暖かい拍手が聞こえてきます。
終わり良ければすべてよしというか、
少しのミスなんか気にしない!。
気にしない!。
我々はアマチュアなんだから、胸張っていこうぜ!
アンコールの2曲目は 例のサンタナの
「哀愁のヨーロッパ」 いよいよ、この曲も 陽の目を見る時が来ました。
照明が少し暗くなりました。
お待ちかねのチークダンスタイムです。
リードギターもキーボードも落ち着いて演奏が出来ている。
ドラムもサイドギターもベースも、皆一様にしっかりした演奏をしている。
さてアンコール2曲目はトラブルもなく
リードギターのTくんが紡ぎ出す哀愁のヨーロッパの切ないフレーズは皆の心の奥深くに届きました。
なんか演奏しながら私自身が酔いしれていました。
そしてラストはベースのF#からのクロマチックスケールのスライドアップをきっかけにして曲のエンディングに持ち込みました。
哀愁のヨーロッパは無事に終わりました。
お客さんからの拍手がありました。
アンコールはあと1曲残されてます。
ラストナンバーは、「朝日のあたる家」
残ったスタミナの全てを絞り出して演奏に臨みます。
この曲もチークダンスに相応しいテンポのナンバー。
ライブホールは照明を落としたままで薄暗く、バンドの演奏にも熱が入りました。
MくんのAmから入るアルペジオが、しっかりと曲の流れを作り出している。
ベンチャーズサウンドの隠し味といわれるドン・ウィルソンのリズムギター、それを思わせる演奏にも聞こえた。
すごいぞ! Mくん!
キーボードも譜面を読みながら、頑張っているのがわかる。
厚みのあるコード進行が鳴り響いている。
曲のサビの盛り上がりの前に、循環コードの8小節、ベースギターも低音のフレーズをガリガリとピックで掻きむしるように演奏した。
リードギターのハイポジションのフレーズも難なくクリアして、ラストはテンポダウンして余韻を残しながらのエンディングを決めました。
これで本当に私たちのライブ演奏が終わりました。
本当にお疲れ様でした。バンドのメンバー、お客様、そしてフュージョン系のバンドの皆さんも。
あと、このライブを企画したプロデューサーは、なんと T くんの叔父様だったのです。
やはりね・・・という、ネタバレでした。
なかなかこんなチャンスは巡ってくるものではないのです。
さあまた、練習、練習というところです。
機材の片付けもまだ残ってます。
最後に、この誤字、脱字の多いブログを読んでくださった、読者の皆様。ありがとうございます。
この後には反省会がありました。
その様子はまた、機会を見て掲載いたします。